苗清水を使用した時の根の様子を見せてもらえますか？

下の写真は、米の苗箱を裏から見た比較写真です。
苗清水を使用したものは張り出す根量が多いのが分かります。

苗の状態はどうですか？

欠株もすくなく、成長そろいも良く繁茂態勢になっています。

成長性に違いがあれば教えてください？

育苗期、分けつ期の作物重量を測定しました。
いずれの時期も苗清水の方が地上部、地下部ともに重く良好な生長が確認されています。
（分けつ期で20%以上の差異）

北海道「ゆめぴりか」の移植６週目

米品質に違いはみられますか？

以下のような品質の差が報告されています。

■割れにくい（破米率が対慣行で△0.7%⇒歩留まり向上）
■Brix、アミノ酸度が若干低い（端麗な清酒になりやすい）
■カリウムが多い（麹菌・酵母が繁殖しやすい）
■タンパクが少ない（蒸米の消化性が高まり、雑味が低減）

どんな品種が効果ありますか？

稲の品種による効果の違いは科学的にないと考えています。
実際には収量の少ない品種、あるいは押さえて品質を重要視しているなど生産者様のニーズに依り選択されています。

直播にも効果期待できますか？

カルパーコーティング種籾の事例では、苗清水を用いた圃場は欠株が少なく、良好な生育を示した例があります。
直播のデメリットである低発芽率の改善につながることを期待しますが、現時点で生育データがないので今、今後検証数を増やす計画です。

稲刈日程に影響はありますか？

苗清水処理の稲は生育が良い傾向で、慣行と比べて生長が数日から1週間ほど早い傾向も見受けられます。
但し、出穂までの日数は品種特性によるところが大きいので登熟期間、稲刈り日程に大きな変化はないものと考えます。

収量に変化はありますか？

本田移植後は地力（土壌）の影響も大きいので、一概に言えませんが、同じ品種、同じ条件で比較した場合、苗清水区の方が穂数が多い、整粒割合が高いなどにより、収量増の事例もありあります。
2019年の比較試験結果では山田錦（酒米）10aあたり1割程度の収量増が確認できました。穂数や整粒割合が比較的良好な傾向でした。

注）当社が全国のモニター圃場で実施・測定したデータの平均値を参考として示したものであり、個々の圃場の収量を保証するものではありません。